野上獲得は失敗する典型例だが...
補強でほぼ必ず失敗する例はキャリアハイを高く見積もりすぎたり、焦って微妙な選手を掴むことにある。後者はマイコラス(14勝+奪三振王)抜けたこと、内海や宮國で負けを積み重ねてしまったことが大きく影響して、今回の獲得はやや焦り気味だったと思う。さて特に気をつけたいのが【キャリアハイを高く見積もりすぎ】であり、大竹寛もそうだった。
11勝+防御率2.36(2011年)、10勝+防御率3.37(2012年)を評価して獲得したが、4年間在籍して成績はイマイチ。しかしそれ以前の成績に目を通すと防御率が高く負け越しの多い選手だということが分かる。
そのパターンでいくと、野上も防御率が高く負け越しが多い投手ということで失敗の典型例となる。
しかし私はそこまで悪くないと思う。
まず野上の基本線はストレートであり回転数が多くキレがある。(菅野や菊池に匹敵する回転数という情報もあるが、菅野のズッシリ感、菊池のミットを抜ける様な感覚は全くない。)正統派の綺麗なストレートである。
次にスライダーだが、これは大したことない。曲がりがそれほどなくカットボールほど手元で曲がる感じもしない。
私が注目しているのはフォーク。浅い握りなので大きくは落ちないが、ゴロを打たせるにはかなり良質ではないかと思う。加えてチェンジアップもある。
ではなぜ防御率が悪いのか...?? 多くの理由があるが私は主に2つあると思っている。
⑴カーブやスライダーがとにかく抜ける
⑵自信のあるストレートが高めにいく
⑴⑵はどちらもコントロールの問題だが、東京ドームを本拠地にするとすぐ持っていかれるのでこのあたりは危険だ。しかし昨年あたりからフォークが素晴らしくなってきており、バッターを迷わせる道具になりつつある。良い試合は良いが、ダメな試合は失点を許してしまうタイプだと推測する。それでも大竹よりはほぼ全ての点において素晴らしく彼より、そして宮國や内海より活躍してくれることは間違いない。